タリンでの観光や食い倒れも楽しいですが、ちゃんとこの国の歴史を勉強したいなと思い「占領博物館(VABAMU)」にも立ち寄りました。
日本語の名前は堅苦しいですが、展示の仕方はおしゃれでモダンな雰囲気で重くないので大丈夫です。
ガラスの壁で囲まれた建物です。
外から中も、中から外も見える、風通しのいい博物館にしたかったそうです。
エストニアの歴史を簡単に
エストニアの歴史は、辛いことの連続でした。
第一次世界大戦後につかの間の独立を果たしましたが、長くは続きませんでした。
第二次世界大戦中にはソ連とナチス・ドイツに支配され、その後完全にソ連の統治下に置かれ、多数の住民が逮捕されたり強制的にシベリア送りにされたりしました。
この占領は約50年もの間続き、悲惨な時間を過ごしたのです。
しかしエストニアの人たちは独立を諦めず、1991年にやっと「エストニア共和国」として自由を取り戻し、今日に至ります。
この暗黒の50年間、人々の生活がどのようなものだったのかをこの博物館では見ることができます。
入り口にはスーツケースのオブジェが
入り口の外にはスーツケースのオブジェが並んでいます。
これはシベリア大量送還のシンボル。
わずか数分で身の回りのものをスーツケースに詰め、住み慣れた家を離れなければならなかったのです。
スマホ型音声ガイドの無料貸し出し
受付で入館料を支払い、ロッカーに荷物やコートを預けたあと、このようなスマホ型音声ガイドを無料で貸し出してくれます。
各展示コーナーに行くと自動で音声が流れ、ひとつひとつの展示物の詳細説明を読みたい場合は、画面上の写真をクリックするというもの。
さすがIT先進国エストニアです。
まず最初にナレーションで流れてきたのは「この博物館が伝えたいのは、憎悪ではなく、我々が掴み取った勝利の物語なのだ」という言葉で、とても印象的でした。
反ロシア・ドイツ的な考えを観る人に与えるのではなく、エストニアの人々がどんな苦労を乗り越え、今こうして自由を得ることができたのかというポジティブな視点で観ることができました。
おしゃれでモダンな展示方法が堅苦しさを感じさせない
展示物の写真はあまり撮りませんでしたが、展示方法はとてもモダンで、重苦しすぎずよかったです。
実際の戦争体験者の方々の映像や、彼らが実際に使っていたもの、手紙など、その時代の苦労を手に取るように感じることができます。
写真は、エストニアの人々が自由を求めて亡命しようとしたときにのった木のボート。
たくさんの人が遭難して亡くなったそうです。
旧ソ連時代のエストニアの暮らしを垣間見れる、お家のレプリカです。
レトロなインテリアがかわいいなあと思いながら見ていたら、「ソ連は禁止していたが、人々はこっそり西ヨーロッパのラジオにチューニングを合わせて聞いていた」と書いてあり、少しぎょっとしました。
実際にチューニングをいじって、聴いてみることもできました。
大好きなフィンランド語の先生がエストニア人だったこともあり、エストニアという国についてもっと知りたくなり、最後のミュージアムショップでこんな本を購入しました。
フィンランドに住んでいると、隣国のエストニア人と知り合う機会も多いので、隣国の歴史をこの本で学びたいと思っています。
ミュージアム情報
- 名前
Okupatsioonide ja Vabaduse Muuseum Vabamu
(英語:Vabamu Museum of Occupations and Freedom) - 電話
+372 668 0250 - ホームページ
https://www.vabamu.ee/en - 営業時間
<10月 – 4月>
月 : 定休日
火 – 日: 11:00 – 18:00
<5月 – 9月>
月 – 日: 10:00 – 18:00 - 料金
大人: 11ユーロ
学生: 7ユーロ
子ども(8歳以下): 無料 - 住所
Toompea 8, Tallinn, Estonia
祝日など、定休日・営業時間は行く前にホームページで必ずチェック!