10月2日にフィンランドで上映開始となった、トーベ・ヤンソンを描いた初の長編映画「TOVE(トーベ)」を、上映開始後すぐにヘルシンキの映画館で鑑賞してきました。
コロナウイルスの流行以降、映画館に行くのは初めてだったので抵抗がありましたが、マスクを着用して臨みました。
この映画、フィンランドでは音声がスウェーデン語、字幕がフィンランド語なので、「見たいけれど、音声も字幕もわからないのはつらいから見に行けないな…」と思っていたら、英語字幕も一緒にでる回をお友達が見つけてくれたので、念願かなって見に行くことができました。
映画館の様子
いつも映画館に行くときは、あらかじめインターネットで座席予約をしています。
座席はこのように、グレーのX印のところが予約できなくなっていて、隣のグループと1メートルほどの距離が取れるようになっていました。
映画館でもこのように隣のグループと距離をあけて座るように書いてありました。
実際の座席は全部使えるようになっていたのですが、みんなしっかり距離を置いて座っていました。
あとはマスク着用をすすめるポスターも貼ってありました。
わたしたちもマスク着用で鑑賞しましたが、見回したところ着用している人は半分以下ぐらいでした。
映画「TOVE」のあらすじ
英語字幕付きの予告編はこちらです。
ムーミン公式ホームページには、あらすじはもちろん、主演女優アルマ・ポウスティさんへのインタビューも含めてたくさんの情報が紹介されているので、鑑賞前に読むと二倍楽しめておすすめです。
映画「トーベ」を観た感想
音声はスウェーデン語、字幕に英語とフィンランド語が両方出るので、映像を見ながら字幕を追うのはなかなか大変かな、せっかくの美しい風景や、俳優さんたちの表情での表現をじっくり見れないかなと思いましたが、実際はそんなことはなく、しっかり映画を楽しむことができました。
もう本当に、とにかくよかった。
とあるシーンで胸を打たれてしまい、そのあとの最後のとある映像にも心が震えて、映画が終わったときは大号泣していました。
劇中ではトーベの女性との恋愛模様も描かれているのですが、目の前に座っていたレズビアンカップルが、ふたりとも涙を流しながら抱き合ってキスをしてる姿を見て、わたしもまたもらい泣き。
ネタバレはしたくないので多くを書けないのが残念ですが、トーベが自分の心に従って強く生きる中でも、心が揺さぶられて葛藤する細かい心理描写が、言葉は少ないのにしっかり伝わってきました。
アーティストとしてどんどん成功していく傍ら、恋愛模様は同じようにうまくはいかないリアルさ。
音楽も映像も、作りこまれすぎていない自然な美しさやおしゃれさがたまらなく繊細でよかったです。
劇中のみなさんのファッションもレトロかわいくてたまりませんでした。
トーベと同じ女性であることを誇りに感じ、背筋をピンと伸ばして自分を誇って、人生の一瞬一瞬を楽しもう!と前向きになれる映画でした。
鑑賞後に聖地巡礼
夕飯を食べたあと夜のヘルシンキの街並みを歩いていたら、そのあまりの美しさに自分たちも映画の中にいるような気分になってしまい、余韻に浸ったわたしたちは、知っている限りで聖地巡礼をしました。
まずは劇中でも入り口へトーベが入っていくシーンで映った、トーベが脚本を書いたムーミンのミュージカルが上映された「Svenska Teatern」へ。
そのあとはトーベが1944年にやっとアーテイストとして成功して初めて借りることができ、亡くなる2001年まで住んでいたアパートへ。
一番上にぽこっと出ているお部屋です。
映画の中でもとてもおしゃれな窓の形や天井の高いお部屋が印象的で、想いを馳せながら外から眺めました。
(ほかの階には一般の方が暮らすアパートなので、観光の際はご迷惑にならないように要注意です。)
アパートの中はまだトーベが使っていた当時のまま残していて、限られたグループだけが中に案内してもらうことができるそうです。
実際にインターホンの名前もJanssonのままになっていて、興奮を抑えるのが大変でした。
アパートの入り口のドアの横にはこんな記念碑も。
幼少期のトーベの鼻をこすると幸運が訪れると言われているそうですが、あとから知ったのでまた訪れて触ってみたいと思います。
お友達と別れたあとも興奮が冷めやらぬわたしは、劇中で流れたジャズを口ずさみながら、小躍りで夜道を帰ったのでした。
日本での公開は?
日本では2021年の秋に上映予定だそうです。
楽しみですね。
とってもおすすめの映画なので、みなさんも是非ご覧ください!