あたたかいかわいさがぎっしり詰まったアヌ・トゥオミネン作品展に行ってきた

ヘルシンキにある美術館「Taide Halli(タイデハッリ)」で、フィンランド人アーティストAnu Tuominen(アヌ・トゥオミネン)さんの作品が2020年1月8日~3月1日まで展示されているということで、滑り込みで行ってきました。

展示開始時にインスタグラムでこの展示を知り、絶対に行こうと決めていたのですが、危うく展示が終わってしまうところでした。

ツイッターでリマインドしてくださった方に、感謝です。

アヌ・トゥオミネンさんとは

写真はYleホームページから引用

フィンランドのコンセプチュアル・アート界を代表するアーティスト

陶器やボタン、毛糸、調理器具などといったフリーマーケットで見つけた古いものたちに命を吹き込み、くすっと笑ってしまうようなユーモアあふれる、かわいいアート作品を数多く制作しています。

古いものが持つあたたかみと、毛糸や草木といった素材のあたたかみ、そこに彼女の持つテイストのあたたかみが見事マッチし、心がほっこりとする、たまらないかわいさで見る者を惹きつけます。

最新展示「Huomenna tänään on eilen」

今回の展示のタイトルは「Huomenna tänään on eilen(明日、今日は昨日)」。

平日の昼下がりに行きましたが、会場は文字通り老若男女で賑わっていました。

お天気がいい日に行ったので、フィンランドの冬には貴重な日光が優しく差し込む中、それぞれが思い思い彼女の作品を楽しんでいました。

階段をのぼって会場に着くと、すぐにこの作品がお出迎え。

作品の右側には「Oikealle, vasemalle(右へ、左へ)」、左側には逆に「Vasemalle, oikealle(左へ、右へ)」という説明書きが付いており、早くもそのかわいらしいユーモアセンスにノックアウトされてしまいました。

おそらく本展示の目玉作品。

カラフルな毛糸で編まれた鍋敷きのような丸いものが、広い壁に広がっています。

左の方はパステルカラー、右に行くにつれてビビッドな暖色になり寒色へと移り行く並べ方は絶妙。

遠くから眺めてから近くで見ると、また全然違う作品に見えてくるので不思議です。

ボタンをサラダに見立てているのでしょうか。

お皿・フォーク・ボタンの細かな部分まで全てが女子心をくすぐる、キッチュなかわいさでたまりません。

彼女の作品は、小さくて丸い物を多く使っている印象を受けました。

ビーズや毛糸を食べ物に見立てたりしていて、「これはベリーで作ったジャムかな?」などと考えながら見るとすごく想像がかきたてられ、とっても楽しかったです。

編み物のサンタさん。トンットゥもいるように見えます。

眺めていると、思わず笑顔になってしまう作品です。

個人的にとても気に入った作品。

お皿の割れ目を木の枝に見立て、葉っぱや木の実、お花、虫などが張り付けてあります。

日本の金継ぎに似た発想で、古い物にある傷をそのものの個性として輝かせているところに惚れてしまいました。

琺瑯の洗面器で、フィンランドの国鳥である白鳥がのびのび泳いでいます。

爽やかな夏の湖を連想させます。

古い子どもの靴の中に、pajunkissa(パユンキッサ(ネコヤナギ))の花穂が詰められています。

フィンランドではイースターに子どもたちがこのネコヤナギを振りながらご近所さん宅をまわるという習慣があり、小さな子どもがこの靴を履きながらイースターをお祝いするかわいい姿を思い浮かべました。

古い石鹸ケースに、石鹸に見立てた石が入れられて並んでいます。

色も形もバラバラなのに、彼女の手にかかると統一感があって美しいので不思議です。

このような不思議な編み物作品もいくつかあり、編み物が好きなわたしは惚れ惚れでした。

このような、絵画の中から動物を切り抜く手法も得意なようで、いくつか見掛けました。

紙の中で窮屈そうだった動物たちも、外の世界に飛び出してのびのび幸せそうに見えます。

北欧のヴィンテージ家具でよく見掛けるタイプのサイドデスクに、コーヒーやチョコレートに見立てた毛糸作品が飾られた、茶色で統一した色集め作品。

とっても好きなテイストです。

記念にショップでパンフレットとポストカードを購入

何時間でもいられそうなぐらい、全ての作品に心をくすぐられてしまったので、帰りがけにミュージアムショップで彼女の作品集とポストカードを購入しました。

この展示のために作成された、最新の作品集。

展示会にはなかった作品も掲載されており、いくら眺めても飽きません。

特大サイズのポストカード。

額に入れて飾ってもいいな、と考え中です。

こんなに全ての作品がツボな展示は久々で、すっかり彼女の大ファンになってしまいました。

日本でも開催されたら、きっと大人気間違いなしだな、実現すればいいなと思いながら美術館を後にしました。

ミュージアム情報

  • 名前
    Taide Halli
  • 電話
    +358 40 450 7211
  • ホームページ
    https://taidehalli.fi/en/
  • 営業時間
    月  : 定休日
    火  : 11:00 – 18:00
    水  : 11:00 – 20:00
    木 – 金: 11:00 – 18:00
    土 ・日: 11:00 – 17:00
  • 料金
    大人  :14ユーロ
    18歳以下:無料
  • 住所
    Nervanderinkatu 3, Helsinki

2件のコメント

ほっこりする作品ばかりですね(o^^o)
優しさ、暖かさ、作家さんの頭の中を少し見せてもらえたような感じがしました♡
これはずっと見ていられる作品たちですね。
きつねさんのおかげで、日本でも楽しめました❤️

yumiさん
コメントいただき、ありがとうございます!
作家さんのあたたかいお人柄がにじみ出ている、すてきな作品たちですよね。
この記事を読んだ方に展示会に行ったような気分を味わっていただければ、と思って書いたので、うれしすぎるお言葉をありがとうございます(^^)

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