今のフィンランドの様子とわたしの暮らし(自宅待機生活1ヶ月目)

新型コロナウイルスの流行による自宅待機生活が始まって、今日でちょうど1ヶ月。

自分自身のための記録も兼ねて、今のフィンランドの様子と、そこで暮らすわたしの生活がどんな様子なのかをご紹介します。

フィンランド政府の対応

今日から1ヶ月前の3月16日夕方、フィンランド政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急事態宣言を出しました。

Yleホームページより引用

その後、レストラン営業制限やヘルシンキ首都圏封鎖・移動制限なども、議会の承認が下り次第随時加えられていきました。

2020年4月16日現在の主な制限内容は、このとおりです。

  • 国境封鎖し、入境制限(ただし、帰国するフィンランド人やフィンランド在住者は除く)
  • 全国の学校を閉鎖
  • 10名以上規模の公共のイベントや集会はすべて禁止
  • 国内すべての美術館、映画館、図書館、プール、スポーツジムなどは閉鎖
  • 幼稚園は通常通りだが、両親が子どもの面倒を見ることができる場合は利用を控えるよう推奨
  • 70歳以上の高齢者への接触は避ける
  • 仕事へ行ったり、外を歩いたり、犬の散歩、食料品の買い出しなどの日常生活は、通常どおり自由
  • 海外帰国者に対して、14日間の自宅での自主待機を要請
  • レジャー等、あらゆる不要不急の旅行の自粛を要請
  • レストランは5月末までイートインの営業禁止。ただしテイクアウトとデリバリーのみ提供可能(制限の早期解除もありえる)
  • ヘルシンキ首都圏(ウーシマー県)を封鎖し、移動を制限(昨日13:00解除)

フィンランド政府による経済対策や各種保障なども含めた詳細については、現代ビジネスの「新型コロナ危機、なぜフィンランドでは感染者が少ないのか?」という記事(リンクはこちら)でとてもよくまとめられています。

わたし個人としては、3月中旬頃までは「人混みは避けるけど、お出掛けしたいなあ」なんて思っていましたが、フィンランド政府からの緊急事態宣言と具体的な説明や制限事項の発表により、フィンランド国内の状況の深刻さを真剣に受け止め、自分自身の行動を変えるきっかけとなりました

色々と反対や問題もあるようですが、わたし自身はフィンランド政府の迅速な対応と明確な説明・指示が随時あることで、この政府を信じて従っていればきっと大丈夫、と安心して過ごしています

ただ、日本の家族や友人は離れていて連絡を取ることでしか守れないので、とても心配です。

THLから各家庭に届いたお手紙

3月下旬のある日、THL(フィンランド国立保健福祉研究所)からのお手紙が我が家のポストに投函されました。

内容は自分自身や家族を感染から身を守る方法や、家で病気の家族を看病するときの注意事項、70歳以上の方向けのガイドラインなどです。

裏面には、フィンランドのもうひとつの公用語であるスウェーデン語で書かれています。

その他英語、ロシア語、アラビア語、中国語、目の不自由な方のためのオーディオ版などもインターネット上に公開されていて、URLが書かれていました(こちらから読めます)。

テレビや新聞がなくて最新情報を得られない人や、言葉がわからない移民などでもひとりひとりにきちんと情報を届けようという努力を感じ、移民としてとてもありがたいなと思いました。

近所のショッピングモールの様子

普段は賑わっている平日昼下がりのショッピングモールは、衣料品店や雑貨店などといった小売店は閉業するお店が少しずつ増え、お客さんもいつもと比べて圧倒的に少ないです。

写真からは伝わりずらいですが、シャッターが閉まっているお店が結構あります。

マリメッコも3月28日から全店舗を閉め、オンラインショップのみの営業に切り替えました。

店頭に掲げてあったメッセージにぐっときたので、ご紹介します。

マリメッコの友人たちへ

わたしたちのインスタグラムで、あなたの一日を盛り上げましょう。
そして、わたしたちのデザインを marimekko.com でチェックしてください。
オンラインストアは24時間営業しています。
わたしたちの使命はいつも、力強い色使いや絵柄で暮らしによろこびをもたらすことです。
そして今、それが今まで以上に重要なことだと感じています。

あたたかい想いを込めて、
マリメッコチームより

マリメッコだけでなく、さまざまな小売店はオンラインストアでセールをすることで売上減少を補てんしようとしています。

彼らの経営を支えたくて、わたしもできるだけいつもどおりオンラインでお買いものをするようにしています。

スーパーマーケットの様子

今までほぼ毎日行っていたスーパーマーケットですが、今は週一以下の頻度にしています。

このショッピングモール内のスーパーマーケットでは、たくさんの変化がありました。

周りを見渡すと、ゴム手袋やマスクをしている人お客さん増えたように感じるようになりました。

また、みんなササッと、そして一度に大量にお買い物をしている印象です。

トイレットペーパーやパスタなどが緊急事態宣言直後に品薄になりましたが、今はほぼ通常通りの品揃えで安定しています。

このスーパーマーケットでは、朝7~8時はお客さんをリスクグループ(高齢者、持病を持つ方など)に限定して営業すると書かれています。

こちらのスーパーマーケットでは買い物かごが撤去され、代わりにショッピングカートを使ってくださいという指示がありました。

これについてはどちらも持ち手を触るので、正直効果のほどはよくわかりません。

レジの列に並ぶときに、前の人との間隔を開ける目安となるステッカーが床に貼られました。

それからレジにガラスのプロテクターが立てられるようになりました。

写真は郵便局のものです。

レストランの様子

レストランはテイクアウトやデリバリーは許可されているので、Wolt(Uber Eatsのようなデリバリーサービス)を利用したりしてがんばっているレストランもありますが、かなり経営は厳しいのではないかと思います。

お客さんが減ったり、従業員の安全のため一時閉業しているところも多く、とても心配です。

そんな中、インスタグラムなどSNSでは「#supportyourlocal(地元をサポートしよう)」というハッシュタグで、地元のレストランやお店を利用して支えようという動きがあります。

わたしもデリバリーを頼んだり、ネットショッピングをしたりしています。

記念日にはおいしい中華料理のお店のデリバリーを頼み、自宅でレストラン気分を味わいながらお祝いしました。

今Woltは「ノーコンタクトデリバリー」を採用していて、ドアの前に食べ物の入った袋を置き、ドアベルを鳴らしてデリバリーの方は去って行ってくれるので、その背中に「Kiitos!」と叫んでいます。

これは、タンペレの小さなデザインショップのハンドメイドピアスをオンラインストアで注文したものです。

中にはMarianneのキャンディが入っていて、とてもうれしい気持ちになりました。

学校はオンライン授業へ移行

わたしは平日フィンランド語の語学学校に通っているのですが、緊急事態宣言により学校は閉鎖されてしまいました。

先生と生徒で相談し、いろいろな手段を試してみた結果、Zoomを使ったオンライン授業へ移行しました。

モザイクをかけていますが、こんな風に毎日授業と同じ時間にパソコンのビデオ通話で先生と生徒が繋がり、通常と同じように授業をしています。

質問もできるし、ペアワークもZoomの機能を使ってできるので、今のところ快適に勉強できています。

我が家は元々オフィスルームにふたりのデスクを置いていたのですが、今わたしのデスクはリビングに移動し、それぞれ別の部屋で集中して仕事や勉強ができる環境をつくりました。

夫も毎日リモートワーク中

夫はすぐに会社からリモートワークの指示が出たので、毎日家で仕事をしています。

同僚やお客さんとビデオ会議でミーティングをしたりしているようです。

知らないと突然話し掛けに行ったりしてしまうので、ミーティングのスケジュールが決まると「30分後からお客さんと会議だからね」などと報告しに来ます。

四六時中狭いマンション内でずーっと一緒にいるのですが、別々の部屋で個々の時間を持っているので、ありがたいことに今のところストレスや喧嘩にはなっていません。

おうち時間を楽しむ

この1ヶ月の間、週一以下の頻度で食料品などの買い出しに行くスーパーマーケットと、ネットショッピングの商品の受け取りなどで行く郵便局、そして週一ぐらいで夫と家の周りを歩くお散歩以外、外出していません。

なので、メトロやバスなどの公共交通機関にも一切乗らない日々です。

ずっとお家で過ごしているので、いかにストレスなく快適に過ごせるかを知らず知らずのうちに追及している気がします。

スーパーマーケットで買ってきた観葉植物をお手入れする時間は、とても癒しです。

デスクに飾って、フィンランド語を勉強したりブログを書きながら眺めて、毎日成長していく姿を観察しています。

あとはとにかくお料理。

一日三食作るのはなかなか大変ですが、作ってみたかったお料理に挑戦してみたりして楽しんでいます。

写真は夫が作ったスパイスたっぷりの本格派バターチキンカレーとナンで、とてもおいしかったです。

普段あまり家で飲まないワインも、最近はまとめ買いして少しずつ楽しんでいます。

ワインに詳しくないしリーズナブルなものばかりですが、気分がよくなります。

このワインは「THERE IS ALWAYS HOPE(いつでも希望はある)」というラベルで選びました。

食べてばかりだし運動不足なので、YouTubeを見ながら身体も動かしています。

テレビの前にヨガマットを敷けば、もうそこはスポーツジム!

ほかにもお友達とビデオ通話で話ながらゲームをしたりする「Zoom飲み」もたくさん開催して楽しんでいます。

本当にいい時代です。

SNS上での動き

先ほど書いた「#supportyourlocal」ハッシュタグなど、フィンランドでもSNSを通じてみんながアイディアを出し合い、支え合っています。

#nallehaaste(ぬいぐるみチャレンジ)」というハッシュタグもあります。

これは、窓辺にぬいぐるみを飾り、散歩する人たちや世の中の人たちを励まそうというものです。

実際、気分転換と運動不足解消のためにお散歩したときにわたしも見つけて、本当にほっこりとした気持ちになりました。

ほかにも「#olenkotona(わたしは家にいます)」というハッシュタグで、色々な人がお家の様子をシェアしているものもあります。

フィンランドの一般家庭のインテリアがとても参考になりますね。

あとは「#pysykotona(フィンランド語版#stayhome)」というものもよく見掛けます。

1ヶ月前には想像もしなかった、今の生活。

今から1ヶ月後がどうなっているのかもわかりませんが、無理にポジティブにいようとか、なにかを成し遂げようなどせず、この終わりの見えない未曾有の事態を、心身の健康第一にゆるっと乗り越えていきたいものです。

2件のコメント

フィンランドの現状がわかって、とっても参考になりました(^^)
そして、無理にポジティブにならず、ふんわりと乗り越える。私も無理に自分を前向きにって…してたような感じがして。きつねさんの記事を読んで、楽しむとまではいかなくても。無理せず、自分のできること、やるべきことをしつつ。少し楽しんで乗り越えられるように。と思いました。
とりあぇず、今はマリオテニスで室内運動してます!気持ちは大阪なおみ!現実は1番弱いノコノコにも勝てません笑

yumiさん
コメントいただき、ありがとうございます(^^)
ご参考になったとのこと、とってもうれしいです!
最初は「よし、この時間を有意義に過ごすために勉強がんばるぞ!」とか意気込んでいましたが、そうでなくてもストレスの多い環境の今、あまり自分を追い込んでもよくないな…と、ずぼらなわたしは気づきました(笑)。
マリオテニス、楽しそうでいいですね!わたしも参加したいです(笑)。
心身の健康第一に、お互いゆるっといきましょう♪

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