フィンランドの大切な祝日というと、みなさんは何を思い浮かべますか?
クリスマス、そしてユハンヌス(夏至祭)…。
どれも大切な祝日なのですが、一年でいちばんヘルシンキの街全体がお祝いモードに包まれるのが、「ヴァップ(Vappu)」。
なぜならクリスマスはお家で家族と、ユハンヌスは自然の中のコテージなどで過ごすので、お店も閉まり、街中はガランと空っぽになってしまうからです。
ヴァップってなに?
ヴァップは春の到来と、学生そして労働者のお祝いの日。
古くからフィンランドで祝われていて、かつては労働者の日でしたが、今日の主役は、学生たち。
みんなカラフルなオーバーオール(学部によって色が異なる)を着て、頭には白い学生帽を被ってヴァップ前夜からお祝いします。
待ちに待った春、そして初夏の訪れをお祝いするため、この日はシャイなフィンランド人も外でピクニックをしならお酒をたくさん飲んでは大はしゃぎするのです。
ヴァップのお祝いに欠かせない飲み物「シマ」
そんなヴァップのお祝いに欠かせない飲み物、「シマ(Sima)」。
珍しくにっこり笑顔のニーニスト大統領とイェンニ婦人の前に置いてあるボトルも、シマです。
ヴァップが近くなると、スーパーにはさまざまなブランドが独自のレシピで作った、たくさんの種類のシマが並びます。
「日本では買えない…」と落ち込むことはありません。
とても簡単にお家で作れるので、フィンランドでも毎年ヴァップになると自家製のシマを楽しむ人も多いのです。
そして何より、手作りのものの方が市販のものより格段とおいしい。
今回は、シマの基本のレシピをご紹介します。
シマの材料(2リットル分)
- 水 :2リットル
- レモン :1個
- ブラウンシュガー :125g
- 砂糖 :125g
- ドライイースト :小さじ1/2
(生酵母の場合は小さじ1/4) - レーズン :数個
フィンランドでは生酵母(tuorehiiva)がスーパーで手軽に手に入るので、それを使うのが主流ですが、ドライイーストでも問題なく作ることができます。
シマの作り方
- レモンをブラシでよく洗う。
- レモンの皮を剥き、レモンの身を絞る。
- ②のレモンの皮とブラウンシュガー・砂糖を大きなボウルに入れ、よく混ぜる。
- 水1リットル(全体の半量)を沸騰させ、③のボウルに注ぎ、よく混ぜる。
- 残りの水1リットルと、②で絞ったレモン汁を加えて再びよく混ぜる。
- ボウルにキッチンタオルをかぶせ、室温で一日寝かせる。
- 翌日、清潔なビンに小さじ一杯の砂糖(分量外)と数個のレーズンを入れ、シマを注ぐ。
- ビンのキャップを緩く閉じる(発酵するとボトル内の圧力が上がるため、きつく締めるとビンが爆発したり割れたりするので要注意!)。
- レーズンが浮かび上がってきたら、できあがり!
手作りシマは涼しい場所で約1週間、室温では約3日で完成します。
完成したシマは冷蔵庫に保管してください。
微炭酸でとってもおいしい手作りシマ
さわやかなレモンの酸味が効いた、素朴なお味のレモネードです。
シマはほんの少しアルコールを含みますが、その含有量はわずか1%未満。
毎年ヴァップにしか飲まないのはもったいないと思うほどおいしいのですが、その特別感がよりシマをおいしくする隠し味なのかもしれませんね。
みなさんも、手作りシマを作って日本でヴァップをお祝いしてみませんか?
それではみなさま、Hauskaa vappua!
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